第202回例会レポート
今回、私F本は初めてレポート係を担当します。
私自身が例会の仕組みについてわかっていないことも多いので、「日本橋センチュリーTMクラブって何だろう?」という初心者目線で記述してみます。
【全体の流れ】
19時〜21時の2時間を最大限に活用するために、細かく時間配分が決められています。今回はおおよそ次のような流れでした。
<前半1時間>
・挨拶および役割紹介
・準備スピーチ
<後半1時間>
- 準備スピーチへのフィードバック(論評)
- 受賞者発表
・ゲスト挨拶と事務連絡
通常は、あらかじめ考えてくる「準備スピーチ」とは別に「テーブルトピック」と呼ばれる即興スピーチのコーナーがあります。でも今回は年1回の役員選挙と、新メンバーの入会式があったので、テーブルトピックは割愛されました。
全体の流れはTMOE(Toast Master of the Evening 今夜のトーストマスター)が準備します。
今回のTMOEはニュージーランド出張帰りのN原さんでした。
また今回の例会は、いつもの人形町区民館ではなく、水天宮駅から徒歩7、8分の浜町区民館でおこなわれました。
【前半】
◆挨拶および役割紹介
I田会長の開会挨拶とゲスト2名の紹介(見学は3回まで無料)。
TMOE・N原さんの挨拶。
今夜の言葉:
語彙を増やすために毎回「今夜の言葉」が紹介され、その日のスピーチや講評のなかで使うことが奨励されます。今日はT中さんが最近話題の「タックスヘイヴン=租税回避地」にちなんで、「回避」という言葉を紹介しました。「避ける」などに比べてやや堅い言葉なので、使い方を練習しておくとスピーチ表現も広がりそうです。
役割紹介:
各役割の紹介です。自分の役割を1分以内で説明します。
・計時係:時間を計る計時係は日本橋センチュリーTMクラブのお姉さん的存在のS貫さん。
・集計係:ベストスピーカーなど投票の集計をする係はいつもユーモアいっぱいのオKさん。
・文法係:文法や言葉遣いをチェックし、また印象的な言葉を紹介する「文法係」はK村さん。
・えーとカウンター:「あ〜」「え〜と」など不要なつぶやきの回数を数える係は会長でもあるI田さん。
・レポーター:例会のレポートを書く係は、F本。写真撮影も行います。
◆準備スピーチ
例会のメインイベントともいえる「準備スピーチ」。今日のスピーカーは4人です。
<1人目>
中国出身のJンさん(♂)。タイトルは「ライト兄弟の話」。
マニュアル#3(つまり3回目のスピーチ)の目標は「ポイントを押さえる」。スピーチトピックを選び、目標を設定して、その目標が達成できるようにスピーチ全体を構成します。
ライト兄弟の知られざるエピソードを写真や情報を交えて興味深く伝えました。
<2人目>
クラブの役員としても活躍する若手メンバーW田さん。タイトルは「何度でも何度でも」
マニュアル#6の目標は「ボーカルバラエティ(声の変化)」です。
ゴルフのパット練習を題材に、ゴルフの様子、夫婦の会話のようすを語ってくれました。マンガで言えばセリフの吹き出しがたくさん登場するような楽しいスピーチでした。
<3人目>
ベストスピーカー賞を多くとることが今年の目標のひとつでもあるS藤さん。タイトルは「あいさつのチカラ」。
マニュアル#9の目標は「パワフルな説得」です。
スピーチの出だしの「皆さんこんばんは」という挨拶。これを普通の言い方と明るく気持ちいい言い方で比較し、どれだけ伝わり方が違うかを体感させてくれました。
<4人目>
いつも会場を笑いの渦に巻きこむ熟練スピーカーのI間さん。タイトルは「戦争法案?」。
アドバンスト・マニュアルの目標は「知らせるためのスピーチ」の中の「実情調査のスピーチ」。十分な事実に基づいた情報を伝えて、聴衆が適切な決断を行えるようにすることが目標です。
「戦争法案?」という賛否両論分かれそうなテーマですが、まさにその「タブー視されるテーマの扱い方」について、ユーモアいっぱいに語ります。
そこから日本国憲法や自衛隊法などの情報を示しながら結論へ向かうという技アリの展開でした。
各スピーチの持ち時間は5〜7分です。また、スピーチの合間には簡単な感想を書く1分のコメントタイムがあります。
4人のスピーチが終わったあと、計時係から時間報告。
今回は1番目4番目のスピーカーが時間オーバーだったので、残り2人を対象にベストスピーカーの投票が行われました。
ここまで1時間弱。休憩時間は10分の予定でしたが、時間調整のため5分の休憩になりました。
【後半】
◆論評
前半のスピーチへのフィードバックである論評が行われます。トーストマスターズでは、先生と生徒のような関係はないので、メンバー同士がスピーカーになったり論評係になったりします。
今回の総合論評係である台湾出身のYミングさんが、論評係を順番に紹介します。
<1人目>
Jンさん(♂)「ライト兄弟の話」への論評はA達さん。もともとはDペスさんの予定でしたが仕事の都合で遅れることになったので、急遽、A達さんが代役になりました。
ライト兄弟についてのエピソードが盛り込まれたJンさんのスピーチを「NHKスペシャル」や「プロジェクトX」にも例えながら、よかったところと改善点を指摘します。
よかったところ
1:ストーリー展開(人類100万年の夢をかなえたライト兄弟。他の登場人物との対比など)
2:今回(マニュアル#3)の目標達成について。「ライト兄弟はすごい!ということを伝える」(一般的な目標)が細かい情報と合わさってうまく表現できていた。
改善点
1:立つ場所や立ち方について。ちょっとした無駄な動きがあるなど。堂々と立つ方がより説得力がでそう。
2:今回の達成目標のひとつ「スペシフィックな(具体的な)目標」が少し分かりづらかった。
<2人目>
W田さん「何度でも何度でも」への論評は、S尾さん。本職が英会話の先生だけあって、やさしく語りかける先生のような論評スタイルです。
W田さんの人柄がよく現れている、会場の皆さんとの会話を楽しんでいるスピーチという印象だったそうです。
よかったところ
1:夫婦の会話がとてもリアル。
2:ゴルフなどのジェスチャーがすばらしい。
3:インタラクティブな構成(会場の皆さんに話しかける「…ですよね」など)
改善点
1:声の変化をもっと大胆にしてもいい。
2:アイコンタクトが前列の人だけだったので、会場全体にするといい。
<3人目>
S藤さん「あいさつのチカラ」への論評はM上さん。「皆さん、こんばんは!」という、元気な挨拶からはじまる楽しい論評でした。
今回のスピーチが本来はシャイな(?)M上さん自身にもとても役に立ったそうです。
よかったこところ
1:ボディーランゲージ
2:ボーカルバラエティ(高校生やおばあちゃんなど、声の違いでキャラクターの違いを出していた)
3:小ネタを盛り込み、聴く人をS藤さんワールドに惹きつけていた
改善点
1:身体の動きと声はさらにオーバーでもよかった。
2:挨拶が変わった結果S藤さん自身にどんな変化があったかについても、もっと聞きたかった。
<4人目>
I間さん「戦争法案?」への論評はM井さん。初めての論評にもかかわらず、ベテランのI間さん担当になった不運(?)もギャグにしながらの、堂々とした論評でした。
よかったところ
1:難しいタイトルなのにもかかわらず聴く人を笑わせ、その後本題に入る巧みな構成
2:プロジェクターも使用し、まるで大学の講師のように理路整然したスピーチだった。
改善点
1:メッセージは、もっとはっきりした意見でもよかった。
2:目線が前の方に限定されていた。会場全体にゆき届けば、将来は大学の講師にもなれるかも。
その後、4人の論評についての時間報告、投票がありました。
◆各役割からの報告
各役割の皆さんからの報告です。
文法係:K村さん。
日本語の語尾について。「…なので、…なので…」と続けてしまいがちだが、もっとメリハリつけて話せるといい。
印象に残った言葉は…
「肌で感じる重要性」「たたみかける」「対話が生まれた」(「対話をしなきゃ」ではなく「生まれる」ところ)
「石器時代」(ユーモア、オチとして)
えーとカウンター:I田さん。
「真剣に聞けば聞くほど、『あー』『えーと』を数えることを忘れてしまう」という体験にもとづいた素朴な感想も。
総合論評係:Yミングさん
例会後半のフィードバックセッションのまとめとして、総合的な論評を行います。
◆受賞者発表
受賞者の発表はTMOEのN原さんから。受賞者発表のときには「ダダダダ…ダン」と、メンバー全員が手でドラムロールを行なって祝福します。
ベスト論評はA達さんとM上さんが同ポイントで2人受賞。ベストスピーカーはS藤さんでした。おめでとうございます!
【役員選挙と入会式】
◆役員選挙
今回は年に1度の役員選挙がありました。今年の7月1日から来年の6月30日までクラブ運営を行う役員を決めます。
各役員については事前の役員会で推薦者がでていますが、トーストマスターズは民主主義のクラブなので、この会場での推薦・立候補も受け付けます。
Dペスさん、S貫さんから推薦メンバーを発表。他に立候補者はいなかったので、そのまま決定しました。
その後、新役員がそれぞれ1分間の所信表明を行いました。
会場係:S尾さん
国際組織でもあるトーストマスターズクラブをもっと深く知り、皆さんの役に立ちたい。
会計担当:M上さん
ほかにも2つTMクラブに入っているが、日本橋センチュリーはギャグも多くて大好きなクラブ。そんな大好きなクラブの役に立ちたい。
書記担当:O本さん(欠席のためAリャさんが挨拶代読)
仕事で出席できないことも多いが、出席すると毎回新たな発見がある。運営に少しでもかかわることができればさらなる発見も…
広報担当:S藤さん
クラブを包み込めるような広報になりたい。(ユーモアも交えつつスピーチ)
会員担当:T中さん
(T中さんが現在つとめている)教育担当はとても大変なので、こんどは会員担当をしながら教育担当のW田さんを助けたい。
教育担当:W田さん
教育担当は大変だなあと思っていたが、S貫さんに「やる?」と言われて嬉しくて引き受けた。重責だが自分にとってもありがたい機会なので、T中さんに助けてもらいながら頑張りたい。
会長:I田さん
(3ヶ月前、大阪転勤になった前会長を引き継ぎ)改めてトーストマスターズに熱を入れるいい機会になったと思っている。「自分が前にでて…」ではなく、会に来てくれた人が「楽しかった」「来てよかった」と思ってくれるようなバックサポートとしての会長に徹したい。
◆入会式:Jンさん(♀)
中国出身のJンさんはすでに他のTMクラブ(英語)に入会済み。さらに日本語スピーチの上達を目指してバイリンガルの日本橋センチュリーTMクラブを選んだそうです。
- 日本橋は、しっかりした講評と、楽しいジョークなどメリハリがきいたクラブという印象。
- 積極的にスピーチ、講評をやっていきたい。
新会員の相談役であるメンターはY本さんになりました。
【ゲスト挨拶と事務連絡】
◆ゲスト挨拶
T内さん:「テレビも新聞も見ない生活だが、仕事では人前で話す機会がある。スピーチの練習をしたいと思った」
D脇さん:「こんなに組織だったクラブとは知らなかった。「話す力」に自信がもてるようになりたい。また見学してみたい」
◆ビジネスセッション(連絡事項)
翌々日(5/28)の土曜日、Dペスさんが大阪で開かれる全国大会に出場します。
クラブ会計の中から今回は特別に1万円サポート。また、メンバーが寄せ書きした応援色紙がDペスさんに手渡されました。
最後にI田会長より閉会の言葉。希望者は二次会へ。
※レポーターFからの感想
トーストマスターズに参加して数ヶ月。いままでは自分の役割しか見ていなかったので、あらためて例会を振り返ってみて、とても緻密に構成された2時間だと思いました。
また各メンバーが役割分担をしながら、お互いのスピーチスキルやコミュニケーションスキルの向上に努める、その相互作用が面白いと感じました。
日本橋センチュリートーストマスターズクラブは、「やることはちゃんとやる」部分と「くだけたユーモラス」な部分が両立したユニークなクラブだと思いました。